環境化学
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界面活性剤ゲル抽出法による合金中の銅 (II) とニッケル (II) の分離回収に関する基礎的研究
田頭 昭二中井 隆行村上 良子佐々木 義明
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2001 年 11 巻 4 号 p. 855-861

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抄録
ドデシル硫酸ナトリウム (sodium dodecylsulfate, SDS) を用いる界面活性剤ゲル抽出法によるニッケル (II) と銅 (II) の相互分離を行った。ニッケル (II) と銅 (II) を含む溶液にニトリロ三酢酸 (H3NTA) 共存下でエチルキサントゲン酸カリウム (KEtX) を加えると, ニッケル (II) は水に可溶性のNTA錯体を生成するために水相に残り, 銅 (II) は水に不溶性のエチルキサントゲン酸錯体を生成し界面活性剤SDS相に抽出された。抽出, 逆抽出操作は一回では不十分であったが, 連続した抽出, 洗浄, 逆抽出操作を行うことによって, 満足な結果を得た。本法で合金中のニッケルと銅の分離に応用した。銅30%, ニッケル66%, 鉄1.9%, マンガン1.6%からなる電磁シールド材であるニッケル銅合金ワイヤメッシュテープを硝酸に溶かし, サンプル溶液とした。SDS相に抽出された銅は, 塩酸で酸分解後, 水相に逆抽出して回収した。ニッケル, 鉄,
マンガンを含む水相に臭素水を加えて加熱することによって, 鉄, マンガンを沈殿させ, ニッケルを分離回収した。
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© 日本環境化学会
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