抄録
底質中のMBCとTBZを液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析法を用いて定量する手法を開発した。底質からの抽出特性を検討し, 抽出溶媒に0.5M塩化アンモニウム60%メタノール水溶液を選択した。この抽出液に固相カートリッジによるクリーンアップを組み合わせることで, 試料マトリックスによる感度低下を抑制することができた。さらに, 検出器に選択性の高いMS/MSを用いることでS/N比が改善され, 検出下限値の向上が可能となった。底質への5ng/g添加試料の回収率は, MBCが92.9%, TBZが95.6%で, この時の検出下限値 (S/N=3) は, それぞれ0.06ng/gと0.07ng/gであった。