2002 年 12 巻 3 号 p. 571-583
県道上高地公園線と国道158号線で, 道路わきの表層土壌と粉塵を採取し, Cr, Mn, Fe, Ni, Cu, Zn, Cd, Pb濃度とpHを測定した。
Cr, Ni, Cu, Zn, Cd, Pb濃度は山岳部から都市部に向けて上昇したが, 県道で上高地バスターミナルと釜トンネルが高濃度を示した。このことは頻繁な停発車やアイドリングと関連する, 自動車の交通量に起因すると考えられた。
また上記6元素は, 月間交通量または累積交通量と関係した濃度上昇がみられ, 高い土壌pHの影響も推察された。
以上から, 自動車の過剰利用は山岳部においても都市部に匹敵するCr, Ni, Cu, Zn, Cd, Pb汚染を現出させることが示された。