環境化学
Online ISSN : 1882-5818
Print ISSN : 0917-2408
ISSN-L : 0917-2408
O- (4-トリフルオロメトキシベンジル) ヒドロキシルアミン誘導体化法を用いたGC/MSによる大気中のアルデヒド類の新しい測定法の評価*1
今村 清江口 正治大平 修平白國 忠志竹中 規訓田代 恭久立花 茂雄平井 恭三藤方 豊矢坂 裕太
著者情報
ジャーナル フリー

2003 年 13 巻 1 号 p. 171-178

詳細
抄録

アルデヒド類の新しい誘導体化剤であるO- (4-トリフルオロメトキシベンジル) ヒドロキシルアミン (TFBA) を用いて, ホルムアルデヒド (EA) 及びアセトアルデヒド (AA) の分析精度についての共同実験を行った。このround robin試験には15の分析機関が参加した。試験試料としてはa) ベンゼンスルホン酸を化学結合させたシリカゲルカラムの表層部に, TFBAをイオン結合させて調製したカートリッジ (TFBAカートリッジ) にEAの試料ガスを捕集したもの (TF-A) , b) AAのTFBA誘導体を添加したTFBAカートリッジ (TF-B) , c) 2種類のアルデヒドTFBA誘導体のアセトニトリル溶液 (TF-C) を使用した。カートリッジ試料についてはアセトニトリルで溶出を行った後GC/MSで測定した。
異常値を棄却した後の各測定値の平均値は理論値 (計算値) とよく一致した。理論値 (計算値) に対する各測定値の比の機関内相対標準偏差は4.7~12.8%の範囲に入り, アセトアルデヒドの試料TF-Bの値 (33.5%) を除くとそれらの機関間相対標準偏差は15.1~17.5%の範囲内に入った。
以上の結果から, この方法は, 前処理及び測定精度に関しては, これまでアルデヒド類の分析に使用されてきたNDPH (2, 4-ジニトロフェニルヒドラジン) 法と同等の精度が得られることが分かった。

著者関連情報
© 日本環境化学会
前の記事 次の記事
feedback
Top