環境化学
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ダイオキシン類データベースの構築と汚染状況の解析
岩本 真二松枝 隆彦黒川 陽一大野 健治飛石 和大桜木 建治
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2004 年 14 巻 4 号 p. 805-815

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抄録

ダイオキシン類のデータを集約し, 解析するためにデータベースを構築した。データベースは, 採取地点, 採取日時などの付帯項目, 118異性体項目, 同族体項目, TEQ異性体濃度などで構成されており, 過去の調査で分析された700サンプル以上が納められている。このデータベースから解析したいグループを抜き出し, 異性体パターン, 同族体パターン, 選択した成分のレーダーチャート, TEQ構成などのグラフを作成する。また, ダイオキシン類の土壌, 大気などの汚染地域分布をみるために県地図の上に円グラフで表示し, その違いを観察する。また, 統計ソフト, ケミカルマスバランス (CMB) 計算ソフトを使い, 発生源種の推定や寄与率の予測計算を行う。
このデータベースを基に, 重回帰分析, CMB法で発生源の予測を行ったところ, おおむね似た結果となり, 大気では廃棄物焼却炉が60%以上, 土壌・河川水ではCNP, PCPの農薬が60%以上寄与していることが推定できた。

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© 日本環境化学会
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