環境化学
Online ISSN : 1882-5818
Print ISSN : 0917-2408
ISSN-L : 0917-2408
低濃度PCB汚染油の処理対象基準に関する検討
平井 康宏酒井 伸一森田 昌敏内山 巌雄
著者情報
ジャーナル フリー

2005 年 15 巻 2 号 p. 407-419

詳細
抄録
低濃度PCB汚染油の処理対象基準濃度設定に資するため, 廃油処理に伴う作業者および周辺居住者のリスクを評価した。廃油中PCB濃度が50mg/kgのとき居住者の追加的曝露量推定値はPCB・ダイオキシン類のTDIの1/20以下であり, 作業環境のダイオキシン類濃度推定値は, 管理濃度2.5P9-TEQ/m3の1/100以下であった。また, 5mg/kg以下で作業者の体内負荷量最大値は個人差を考慮しない場合のNOAEL以下となった。処理対象外となる廃油の平均PCB濃度は, 処理基準が20mg/kgのとき4.8mg/kgと推定された。PCBの環境放出量は日本の現在の年間排出量の1%以下と推測された。
著者関連情報
© 日本環境化学会
前の記事 次の記事
feedback
Top