環境化学
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未同定ヘキサクロロナフタレン異性体の合成と溶出位置の特定
今川 隆
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1994 年 4 巻 3 号 p. 671-676

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抄録

ヘキサクロロナフタレン (HxCN) には, 蓄積性や毒性の面で最も注目される異性体があるが, まだ全異性体が同定されていない。このため, 未同定異性体4種類のうち3種類を合成することにより, 文献データとあわせて全異性体の溶出順序を明らかした。合成した異性体のうち1, 2, 3, 4, 5, 8-HxCNは6置換ナフタレンを五塩化リンと加熱して得られた。1, 2, 3, 4, 5, 7-HxCNは1, 2, 3, 4-テトラクロロナフタレン (TeCN) を塩素化して得られる4種類のHxCNの中から, 他の3種類の異性体以外のピークを同定した。1, 2, 3, 5, 6, 8-HxCNは, 1, 2, 3, 6-TeCNを酸化して得られるテトラクロロナフトキノンを経由して合成した。1, 2, 3, 5, 7, 8-HxCNは, クロマトグラム上でただ一つ不明ピークとして残ったため同定された。ここで得られた溶出順序から焼却炉フライアッシュを分析した結果, 蓄積性の高い1, 2, 3, 4, 6, 7-/1, 2, 3, 5, 6, 7-HxCNの含有率が高い試料が多いことが分かった。

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