農薬類100物質を対象として, 河川水中における農薬類の粒子状物質 (PM) への分配について, 河川水へ農薬類を添加した場合と実際の河川水試料とのそれぞれを検討した。3地点で採取した河川水へ農薬類を添加した結果, PMへ1%以上の分配が認められたものは, 100物質のうちエトフェンプロックスをはじめとする35物質であった。一方, 2河川5地点において春季から秋季にかけて河川水を採取し, 農薬類の濃度を測定した結果, PMから27物質が1~100%の分配率で検出された。河川水中における農薬のPMへの分配率は, 農薬の物理化学的性質や溶存相の農薬濃度等の影響を受けていると考えられ, 添加試験と実試料との違いもこれらの要因に基づくことが推察された。