特別支援教育体制整備状況調査において、幼稚園における特別支援教育の体制整備がいまだ課題として挙げられ、公立・私立でもその差は明らかである(文部科学省,2018a)。小学校での教科学習では、「読み書き」が伴うことから、その困難に対して早期に発見・支援することが重要である。年長児において平仮名71文字はほぼ読むことができるようになる(太田ら,2018;島村ら,1994)ことから、幼稚園において、「読み」に困難のある幼児について把握することは可能である。本研究では、大阪府南部の公立私立幼稚園における「読み」に困難のある幼児の実態について明らかにすることを目的とした。幼稚園教員に質問紙調査を行い、「自分の名前が読めない」「文字に興味がないように見える」など、「読み」に困難のある幼児の実態を問うた。「読み」に困難があると教員が判断した幼児の人数は園により差があり、発達に課題のある幼児も含まれていると考えられるものの、「読み」に困難のある幼児の多くは公立園に在籍し、かつ教員一人当たりの園児数の低い園に在籍している割合が高いことが示唆された。