乳幼児教育・保育者養成研究
Online ISSN : 2759-2057
Print ISSN : 2759-0623
1 巻
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  • 無藤 隆
    2020 年 1 巻 p. 1
    発行日: 2020年
    公開日: 2024/03/21
    ジャーナル オープンアクセス
  • 保育者養成校テキスト、学術論文等における「数量・図形と生物」を対象にした分析
    佐藤 有香, 石田 淳也, 宇野 民幸, 砂上 史子, 関 容子, 中田 範子, 平澤 順子, 松嵜 洋子, 山下 文一, 山田 千愛
    2020 年 1 巻 p. 3-12
    発行日: 2020年
    公開日: 2024/03/21
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究では、領域「環境」の専門的事項及び指導法の教育の充実に向け、領域「環境」に関る保育者養成校テキスト、学術論文等の研究動向を明らかにするため、3つの分析を行った。その結果主に次の事が明らかになった。1保育者養成校テキストの「数量・図形」「生物(生き物)」に関する事例は、改訂を重ねる中で子どもの情動や認知的側面からの解説など、記述内容の質的な変化がみられた。2「保育学研究」等の学術誌6誌では、「数量・図形」「生物(生き物)」に関する論文の割合は全体として小さく、学会誌等によりその数や内容が異なった。3教科「算数」「生活」の学術論文等では、「数量・図形」「生物(生き物)」を扱った論文の割合は小さく、幼児期の学びを明確に児童期に生かしたり関連付けたりしている研究はみられなかった。これらから、保育者養成校テキストと学術論文等との関連付け、領域「環境」と小学校教科との関連付けの必要性が示唆された。
  • 保育内容「健康」テキスト本と幼稚園教育要領解説のテキストマイニングによる分析
    望月 文代, 吉田 伊津美, 鈴木 隆, 内田 裕子, 阿部 弘生, 青木 康太朗, 鈴木 みゆき
    2020 年 1 巻 p. 13-23
    発行日: 2020年
    公開日: 2024/03/21
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究は、2つの研究を通して領域「健康」に関する専門的事項を明らかにすることを目的とした。研究1では保育内容「健康」として出版されているテキスト本をもとに、その中で扱われているキーワードを抽出し、テキスト本からみた領域「健康」に関する専門的事項を明らかにすることを目的にテキストマイニングによる分析を行った。その結果、内容は大きく7グループに整理され、このうち4グループが専門的事項に関するものであると考えられた。研究2では幼稚園教育要領のねらい及び内容に記載の事項を整理するため、幼稚園教育要領解説第2章の領域「健康」全文に対しテキストマイニングを行った。その結果、7グループが見いだされた。テキスト本から明らかにした4つの専門的事項の幼稚園教育要領解説への位置づけを確認したところ、すべてが幼稚園教育要領解説に記載の事項との対応がみられた。これらを総合的に考察し、領域「健康」に関する専門的事項を「健康」「基本的生活習慣」「心身の発達・運動発達」「安全」の4事項に再整理し、各事項を構成するキーワードを示した。
  • 大方 美香, 丸目 満弓, 浅川 茂実, 梶 美保, 矢野 景子, 石丸 るみ, 上垣内 伸子, 寺田 清美, 野尻 裕子, 細井 香, 本 ...
    2020 年 1 巻 p. 25-34
    発行日: 2020年
    公開日: 2024/03/21
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究は、「乳児保育」における保育者養成校テキスト、および3つの学会誌を分析対象とし、テキストの目次項目、学会誌において乳児を対象とした論文数について分析・検討した。まずテキストに最も多く取り上げられる3項目は、「発達」「カリキュラム」「保育内容」の順であった。次に保育所保育指針が改定された2008年以前と以降を比較したところ、2008年以前は上位3項目として1発達、2カリキュラム、3保育内容であったのに対し、2008年以降は、1発達、2保育内容、3カリキュラムの順となった。さらに2008年以降において大幅に増加している項目は、「理念」「子育て支援」「遊び」であり、「他機関連携」は、2008年までは全く取り上げられておらず、2008年以降になって新しく出現した項目であることが明らかとなった。また論文数を概観したところ、1乳児に関する研究は発達心理の領域が主となって行われてきたが、近年では保育をはじめとする他領域においても研究が行われていること、2ただし全体的に乳児を扱った論文数は少なく、年によってもばらつきがあることなどが明らかになった。2018年に改定された保育所保育指針や認定こども園教育・保育要領では乳児に対する保育が具体的に示され、これまで以上に研究や教育の充実が期待されており、その傾向が認められるとともに課題も明らかとなった。
  • 公立・私立園への調査の比較を通して
    宮本 直美, 今枝 史雄
    2020 年 1 巻 p. 35-46
    発行日: 2020年
    公開日: 2024/03/21
    ジャーナル オープンアクセス
    特別支援教育体制整備状況調査において、幼稚園における特別支援教育の体制整備がいまだ課題として挙げられ、公立・私立でもその差は明らかである(文部科学省,2018a)。小学校での教科学習では、「読み書き」が伴うことから、その困難に対して早期に発見・支援することが重要である。年長児において平仮名71文字はほぼ読むことができるようになる(太田ら,2018;島村ら,1994)ことから、幼稚園において、「読み」に困難のある幼児について把握することは可能である。本研究では、大阪府南部の公立私立幼稚園における「読み」に困難のある幼児の実態について明らかにすることを目的とした。幼稚園教員に質問紙調査を行い、「自分の名前が読めない」「文字に興味がないように見える」など、「読み」に困難のある幼児の実態を問うた。「読み」に困難があると教員が判断した幼児の人数は園により差があり、発達に課題のある幼児も含まれていると考えられるものの、「読み」に困難のある幼児の多くは公立園に在籍し、かつ教員一人当たりの園児数の低い園に在籍している割合が高いことが示唆された。
  • 教科書目次及びシラバスのテキストマイニングをもとに
    越山 沙千子, 吉永 早苗, 那須 信樹, 渡邊 佐恵子, 赤津 裕子, 倉原 弘子, 齊藤 崇, 島田 由紀子, 新開 よしみ, 中村 光 ...
    2020 年 1 巻 p. 47-65
    発行日: 2020年
    公開日: 2024/03/21
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究では、領域「表現」における「専門的事項」の教授内容を明らかにするために、昭和28年~平成31年に出版された領域「音楽リズム」「絵画製作」及び「表現」の教科書目次155冊、並びに保育者養成校(以下、養成校)3校の現存するシラバスのテキストマイニングを行った。その結果、領域「表現」における「専門的事項」の教授内容は、「子ども理解」と「表現する過程」を重視する視点のもとに展開されるべきであることが確認された。子どもの表現を読み取り、豊かに展開するためには、子どもが表現する姿を、事例を通して考察することが求められる。同時に、学生自身が表現活動を行い、技能・技術を磨くだけではなく、表現する過程で学生自身がどのように感じ、考えたのかを丁寧に振り返り、それを子ども理解につなげることが重要である。以上を踏まえ、本研究で提案する「専門的事項」に含むべきキーワードは、「子ども理解・事例・身体の諸感覚・感性・感じる・考える・楽しむ」である。
  • 矢野 景子, 浅川 茂実, 梶 美保, 丸目 満弓, 石丸 るみ, 上垣内 伸子, 寺田 清美, 野尻 裕子, 細井 香, 本田 由衣, 宮 ...
    2020 年 1 巻 p. 67-75
    発行日: 2020年
    公開日: 2024/03/21
    ジャーナル フリー
    本研究は、乳児保育を担う保育者に求められる専門性の検討を目的とし、保母養成の教育課程、及び保育士養成課程における「乳児保育」科目の設置・科目の性質・教授内容の変遷の変遷過程を明らかにした。その結果、乳児保育の位置づけの変化と子ども観の転換、乳児保育における養成段階に求められる専門養成の変化が示唆された。「乳児保育」科目の特性として、乳児(3歳未満児)や子育て家庭を取り巻く環境とニーズに影響を受け、「乳児保育」の役割と意義が変遷したことが明らかとなった。また、乳児期が学びの芽生えの時期であると明文化され、乳児保育の意義は乳児期の学びとの関連へと転換した。 「乳児保育(3歳未満児)」の歴史的背景と深い理論に裏付けられ、乳児を取り巻く社会と子育ての現状を理解し、かつ保育内容を捉える観点とその具体(保育のデザインと評価)をもち、社会的資源の活用と連携姿勢を兼ねそなえている保育士像が明らかとなった。
  • 養成課程における保育の専門教育への導入科目として
    澤 ひとみ
    2020 年 1 巻 p. 77-89
    発行日: 2020年
    公開日: 2024/03/21
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿では、教科目「保育内容総論」を「養成課程の初期の保育初学者に対する、保育の専門教育への導入科目」として位置づけ、その目的を達成するため、1年次初期に開講する際の学生への対応として「アクティブ・ラーニング(以下「AL」と表す)の視点を取り入れ、多様なアプローチ(模擬保育・視聴覚教材の活用・子どもの遊び体験)を組み込み授業全体をコーディネートする」ことを試みた授業実践の効果と課題について検討した。効果の検証は、最終授業終了後に自由記述の感想文を回収し、質的研究方法の一つであるテキストマイニングの手法を利用し分析を試みた。結果としてALの視点をもった授業実践が学生の学習意欲を高め学習への深いアプローチに寄与したことが読み取れた。教科目「保育内容総論」の指導に今回の方法を用いることにより、初学者である学生に対して、保育者養成の目的である専門職業人材養成の初期教育に、啓発的な効果をもたらすことができたのではないかと捉えられる実践研究である。
  • 梶 美保, 浅川 茂実, 丸目 満弓, 石丸 るみ, 上垣内 伸子, 寺田 清美, 野尻 裕子, 細井 香, 本田 由衣, 宮里 暁美, 八 ...
    2020 年 1 巻 p. 91-101
    発行日: 2020年
    公開日: 2024/03/21
    ジャーナル オープンアクセス
    2018年に、保育を取り巻く社会情勢の変化、保育所保育指針の改定等を踏まえ、より実践力のある保育士の養成に向けて保育士養成課程が改訂された。そして「乳児保育」の充実のために「演習」に加えて「講義」科目が新設追加となった。本稿は、この「乳児保育」で求められる教授内容について、「子どもの保健」を中心とした近隣科目との関連から考察する。「乳児保育」の教授内容は、3歳未満児を対象として、その教授内容をみると、「変遷」「成長発達」「保育理論」「保育内容」などの理論と対象に即した保育実践が含まれ、保育士養成課程の他科目とは様相が異なるものとなっている。2018年改訂で両科目の関係はより変化、複雑化している。効率的・効果的な授業のためには関連科目間の教授内容のすり合わせが必要であり、なかでも「子どもの保健」との関連項目は特にすり合わせが重要であるがゆえに、「乳児保育」において実践力のある保育士養成のためには、各々の保育士養成校が「乳児保育」と「子どもの保健」を中心とした近隣科目において、教育課程および教授内容を吟味しすり合わせることが大切である。
  • テキストマイニングの手法を用いて
    高 向山, 若尾 良徳, 梅崎 高行, 山際 勇一郎
    2020 年 1 巻 p. 103-116
    発行日: 2020年
    公開日: 2024/03/21
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究の目的は保育者と保護者間の連絡帳記述の規則性から保育者の暗黙知の形式化を図り、それを基に保育現場と家庭との関係形成に有用なパターンを探ることである。分析にはKHcorder(樋口,2014)を使用した。その結果、保育者は記載文の末尾に同調性を表す「ね」を使用する頻度が高く、それが時間的連続性・空間的連続性のカテゴリーと共起関係にあるタイプと、受容可能性・推量判断のカテゴリーと共起関係にあるタイプが見いだされた。一方、保護者の記述の規則性については、時間的連続性をより重視する者もいれば、空間的連続性をより重視する者もいて、お願いばかりする保護者もいることが分かった。さらに、保育者と保護者間の関係形成には次の3パターンがあると分かった。 (1)保育者と保護者双方が働きかける側および応答する側として末尾に「ね」を使用する。 (2)保育者は働きかける側として「ね」を使用し、保護者は応答する側として語尾に「ね」を使用する。 (3)保育者と保護者は応答する側として語尾に「ね」を使用する。
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