抄録
水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)は初感染で水痘を引き起こしたのち,神経節に潜伏感染するが,加齢などに伴い再活性化して帯状疱疹を発症する。帯状疱疹の発症抑制には,VZV特異的細胞性免疫が重要であろうと考えられてきたが,免疫がどの程度低下すると帯状疱疹を発症するのか? 液性免疫も予防にかかわっているのか?などについてはよく分かっていなかった。近年,小豆島で50歳以上の住民を対象に帯状疱疹と免疫との関係を明らかにするための大規模疫学研究を行った。その結果,VZV特異的細胞性免疫(皮内反応)の程度と,帯状疱疹の発症,重症化,帯状疱疹後神経痛の発症とが逆相関することが判明し,一方,VZV特異的液性免疫(抗体)と帯状疱疹との間には相関はみられなかった。以上の結果は,VZV特異的細胞性免疫の増強効果を有する既存の水痘ワクチンが,帯状疱疹の予防に有用である可能性を示唆している。