日本皮膚アレルギー・接触皮膚炎学会雑誌
Online ISSN : 2189-7085
Print ISSN : 1882-0123
総説
日本皮膚科学会アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2016年版-外用療法を中心に
加藤 則人
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ジャーナル 認証あり

2017 年 11 巻 3 号 p. 215-219

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抄録

 日本皮膚科学会アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2016年版のポイントのなかでも, 外用療法を中心に概説した。本疾患の治療は薬物療法, 生理学的異常に対する外用療法・スキンケア, 悪化因子の検索と除去の3つが柱となる。治療開始に際しては, 治療の目標とゴールを患者に伝えることが大切である。また, 皮膚の炎症によって湿疹の悪化因子が増加するため, 抗炎症外用薬を中心とした薬物療法で制御することが重要である。抗炎症外用薬を用いたプロアクティブ療法, ステロイド外用薬の眼周囲への使用による眼合併症, ステロイド外用薬の妊婦や授乳婦への影響, などについても概説した。医師は, 診療ガイドラインの限界も知ったうえでこれを活用して, 患者と協働して臨床現場での最終的な判断を行う必要がある。

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© 2017 一般社団法人 日本皮膚アレルギー・接触皮膚炎学会
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