2019 年 31 巻 4 号 p. 478-482
尺側全手根中手関節(以下,CM関節)脱臼骨折に中手骨基部と有鉤骨骨折だけでなく中手骨頚部骨折を合併した報告は渉猟しえた範囲ではない.今回われわれは,有鉤骨骨折,第4中手骨頚部骨折,第5中手骨頚部骨折・基部骨折を伴う尺側全CM関節脱臼骨折に対し鋼線固定と創外固定を行い,第4・5中手骨頚部骨折に対してintra-focal pinningを併用し良好な成績を得た.手部に複数の骨折を伴う場合は鋼線固定だけでなく創外固定,intra-focal pinningを組み合わせ行うことが大切であると考える.