動物咬傷の多くは外来処置で治癒するが,受傷部位や,受傷形態,治療開始までの期間などによって重症化する場合がある.
直接手術加療を行った動物咬傷例を対象に,性別,年齢,加害動物の種類,受傷直前の状況が判明している場合のその状況,受傷部位,受傷から最終的な治療開始までの日数,当科受診時の併発症,初診から手術までの日数,術式,抗菌薬投与期間,入院日数,加療期間,転機,患者意識について調査した.
受傷から最終的な治療開始までの日数が長期間だった例は,前医での不適切な治療を受けた例と,ヒト咬傷例であった.人咬傷の場合,受傷原因を故意に偽ったり,感染が併発してから受診したりすることがあるので注意が必要である.
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