2020 年 32 巻 1 号 p. 6-11
有限要素法で人工股関節ショートステムのマイクロモーション(MM)を評価し,術後1~2年時のX線像と比較検討した.10例中9例で150 μm以上のMMが大腿骨近位部に集中した.MMが150 μm以上の部位に一致して,術後1~2年時のX線像でreactive lineを伴う1 mm未満のradiolucent lineを認めた.10例中1例でステム全体に150 μm以上のMMを認め,術後X線像でsinkingが見られた.本研究の手法はMMによる術後大腿骨骨反応およびステムの初期固定性の予測に役立つ可能性がある.