2020 年 32 巻 1 号 p. 97-101
化膿性脊椎炎は近年増加傾向にあり,易感染性宿主(以下CH)の増加との関連が示唆されている.本研究では,当施設の化膿性脊椎炎82例(男性55例・女性27例,平均67.5歳)を後ろ向きに調査し,CH群・非CH群とで比較検討した.両群間で患者背景・起炎菌同定率・CRPの陰転化率・1年生存率に有意差はなかったが,CH群の中で維持透析例の1年生存率が50%と有意に低く,死亡例はすべてメチシリン耐性菌感染症であった.維持透析例ではempiric therapyとしての抗MRSA薬の使用が必要と考えた.