日本肘関節学会雑誌
Online ISSN : 2434-2262
Print ISSN : 1349-7324
Ⅰ.基礎・バイオメカニクス
転倒模倣課題における手掌接地時の手根伸筋および回外筋活動特性
大山 峰生小田桐 正博松澤 翔太中村 雄一豊栄 峻吉津 孝衛
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2016 年 23 巻 2 号 p. 17-20

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抄録

 本研究では,転倒模倣動作の手掌接地時の回外筋(Sup),上腕二頭筋(BB),手根伸筋(ECRL,ECU)の活動特性を検討した.Sup,ECRL,ECUは双極ワイヤー電極で,BBは表面電極で筋電図を導出し,手掌接地前後500msを解析した.

 Sup活動は前腕中間位では手掌接地前100msから増大し,最大活動の43.9%に達した.その活動はBBに比べ有意に高かった(P<0.05).回内位では両筋とも低活動だった.ECUは前腕回内位で手掌接地前100msから増大し,最大活動の39.0%に達した.その活動はECRLに比べ有意に高かった(P<0.05).ECRLは接地前に僅かに活動したが,接地後に消失した.中間位では両筋とも低活動だった.

 Supは中間位で,ECUは回内位で活動が高まり,それぞれBB,ECRLとは異なる特性を示したことから,Supは中間位,ECUは回内位での肘関節支持筋と考えた.

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© 2016 日本肘関節学会
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