2016 年 23 巻 2 号 p. 17-20
本研究では,転倒模倣動作の手掌接地時の回外筋(Sup),上腕二頭筋(BB),手根伸筋(ECRL,ECU)の活動特性を検討した.Sup,ECRL,ECUは双極ワイヤー電極で,BBは表面電極で筋電図を導出し,手掌接地前後500msを解析した.
Sup活動は前腕中間位では手掌接地前100msから増大し,最大活動の43.9%に達した.その活動はBBに比べ有意に高かった(P<0.05).回内位では両筋とも低活動だった.ECUは前腕回内位で手掌接地前100msから増大し,最大活動の39.0%に達した.その活動はECRLに比べ有意に高かった(P<0.05).ECRLは接地前に僅かに活動したが,接地後に消失した.中間位では両筋とも低活動だった.
Supは中間位で,ECUは回内位で活動が高まり,それぞれBB,ECRLとは異なる特性を示したことから,Supは中間位,ECUは回内位での肘関節支持筋と考えた.