日本肘関節学会雑誌
Online ISSN : 2434-2262
Print ISSN : 1349-7324
II.成人骨折・脱臼
上腕骨通顆骨折に対するDouble Plate固定法の治療成績
安部 幸雄藤井 賢三
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2017 年 24 巻 2 号 p. 109-111

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抄録

 目的:上腕骨通顆骨折に対するdouble plate固定法について検討した.

 対象:17例,男4例,女13例,年齢58~87歳を対象とした.14例にMayo Clinic Congruent Elbow Plate System(Mayo plate)を,3例にA.L.P.S.Elbow Fracture System(ALPS plate)を使用した.

 結果:術後平均5日にて外固定を除去した.2例で術後の転倒による骨幹部骨折を受傷した.追跡不能であった1例を除く16例全例で骨癒合が得られ,X線像上の骨癒合は術後平均6週で得られた.平均経過観察期間7か月における平均可動域は伸展-13°,屈曲125°,JOA-JES scoreは平均92.3点であった.

 考察:Mayo plateおよびALPS plateを使用したdouble plate固定法による上腕骨通顆骨折の治療成績は良好であった.ただし本骨折は高齢者に多く生じるため,合併症や転倒による再骨折には注意する必要がある.

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© 2017 日本肘関節学会
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