2017 年 24 巻 2 号 p. 224-227
投球障害の原因としてこれまでに体格や身体特性など様々な要因が検討されている.本研究では女子プロ野球選手を対象に,関節可動域と肘関節障害の関係および肩関節と股関節の関係について検討した.対象は日本女子プロ野球リーグに所属する選手51名とした.肩関節2nd外旋・内旋,3rd内旋,股関節屈曲・内旋・外旋・外転,頚部・体幹回旋の各角度を測定した.対応のないt検定を用い,肘関節障害の有無で各関節可動域を比較・検討し,ピアソンの相関係数を用いて肩関節と股関節の関係について検討した.肘関節障害の有無に関わらず,関節可動域に有意差をみとめなかった.肩関節と股関節は有意な相関関係をみとめなかった.個々の関節可動域のみならず,全身を複合的に評価する必要があると考えた.