2017 年 24 巻 2 号 p. 228-230
はじめに:投球動作に類似した下肢・体幹の複合評価を行い,健常群と肘関節痛症例とを比較し,肘関節痛症例の特性を検討したので報告する.
対象・方法:高校生投手149例に対し,フットコンタクト期を再現した複合評価を行った.疼痛のない健常群と医師による理学所見で陽性と判断した陽性群に分類した.評価として,左右への回旋角度比較を対応のあるt検定,健常群と肘関節痛症例の比較を対応のないt検定を用いて検討した.
結果:健常群では,投球方向への回旋が非投球側方向と比較し,有意に高値を示した.陽性群では,左右差は消失していた.健常と陽性群との比較では,胸郭・骨盤とも健常群が有意に回旋していた.
考察:陽性群における回旋の左右差消失や,絶対値の有意な低下は,投球障害肘選手の身体特性の一つである可能が考えられた.