2017 年 24 巻 2 号 p. 250-253
HR-pQCTを用い上腕骨小頭離断性骨軟骨炎(小頭OCD)に対する骨軟骨柱移植術後の骨微細構造を解析した.対象は小頭OCDに対して手術後3年経過した高校生投手1名(16.3歳)である.コントロールとして同一チームの高校生投手8名を調査した.HR-pQCTで被験者の両肘を撮影し,小頭軟骨下骨の骨梁体積密度(BV/TV),骨梁幅(Tb.Th)などを評価した.小頭OCD患者の投球側BV/TVは24.2%,Tb.Thは246.5μm,非投球側ではそれぞれ24.6%, 238.9μmであった.一方,健常群の投球側BV/TVの平均は37.9%,Tb.Thの平均は277.5μmであり,非投球側はそれぞれ23.8%, 217.8μmであった.術後3年で移植部軟骨下骨の骨微細構造は対象やコントロール群の非投球側と概ね同等であったが,コントロール群の投球側に見られるような増大した骨梁構造は認められなかった.