2017 年 24 巻 2 号 p. 302-304
難治性上腕骨外側上顆炎(LE)の画像での上腕骨小頭骨嚢胞,滑膜ひだ,ECRB腱起始病変の有無につき,OAおよびその他の疾患群と比較検討した.対象は6か月以上の保存治療に抵抗する難治性LE群13例,OA群13例,肘外側に症状のないcontrol群18例.年齢,性別において3群間に有意差はなく,ステロイド注射歴はLE群で平均3.9回,OA群0.1回,control群0回であった.骨嚢胞はLE群で10/13例(77%),OA群で7/13例(54%),control群で2/18例(11.1%)に認めた.滑膜ひだはLE群で12/13例(92%),OA群で5/7例(71%),control群で13/17例(76%)に認めた.ECRB腱起始病変はLE群で11/13例(84%),OA群で4/7例(57%),control群で2/15例(13%)に認めた.滑膜ひだは特異性が低かった.無症候性のものもあるが,ECRB起始病変と小頭骨嚢胞がLE群で高率に存在し,診断や手術適応の一助になる.骨嚢胞形成はOAの初期変化,あるいは複数回のステロイド関節注射による骨壊死などが関与している可能性が示唆された.