2017 年 24 巻 2 号 p. 374-378
目的:本邦で極めて論文の少ない外傷性肘関節拘縮に対する鏡視下関節包切離術について報告する.
対象と方法:外傷後に関節包や靱帯の肥厚・癒着により生じた拘縮肘の10肘で,手術時年齢は平均43.7歳,経過観察期間は平均1年6か月であった.術前後の可動域の変化,合併症について検討した.手術は前方に対しては内側2ポータル,外側1ポータルを用い確実に前方関節包のみを切離した.後方は小皮切で尺骨神経を同定保護し,後斜走靱帯を直視下に切除した後に,鏡視下に後方関節包を切離した.
結果:可動域は術前屈曲平均97°が124°に,伸展は-33°が-13°に,total arcとしては47°の改善が得られた.合併症は2例に尺骨神経領域のしびれを生じたが,神経剥離術を行いしびれは消失した.
考察:外傷性肘関節拘縮に対する鏡視下関節包切離術は低侵襲であり,術後可動域が改善され,患者の満足度も高く,積極的に考慮されるべきである.