日本肘関節学会雑誌
Online ISSN : 2434-2262
Print ISSN : 1349-7324
I.小児骨折・先天性疾患
小児上腕骨遠位端T字型骨折の1例
野口 亮介
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キーワード: T字型骨折, 顆間骨折, 小児
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2017 年 24 巻 2 号 p. 38-39

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抄録

 小児上腕骨遠位端T字型骨折に対して手術を行った1例を報告する.

 症例は7歳女児.雲梯から転落し受傷した.X線にて上腕骨遠位端T字型骨折を認めた.関節面の離解は軽度であったが,内側皮質粉砕を認めた.徒手整復を行い,経皮的に顆間部を2本のKirchner鋼線で固定後,Kirschner鋼線3本で遠位骨片と骨幹部骨片との交差刺入固定を行った.術後12か月にて骨癒合・可動域に問題はないものの,肘の生理的外反が消失した.

 骨格が未成熟で内側皮質粉砕のある症例では,術後に整復位の矯正損失が起こる可能性があり,術中の固定力を上げるために内側から2本鋼線刺入をするか,過矯正をかけて整復固定を行うなど,内反肘を念頭に置いた手術を行う必要がある.

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© 2017 日本肘関節学会
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