日本肘関節学会雑誌
Online ISSN : 2434-2262
Print ISSN : 1349-7324
I.小児骨折・先天性疾患
当科の小児上腕骨外側顆骨折の治療成績
大村 泰人河野 慎次郎中山 太郎川邊 保隆
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2017 年 24 巻 2 号 p. 51-54

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抄録

 小児上腕骨外側顆骨折を治療する際に内固定に著者らはギプス固定を併用した鋼線固定術を行っている.今回その治療成績を検討し報告する.対象は18例(男児13例,女児5例).手術施行時平均年齢は6.2歳,術後平均経過観察期間50.3か月間.Wadsworth分類でI型2関節,II型8関節,III型8関節.I型は保存加療中に転位を生じたため手術した.最終診察時の疼痛の有無,ROM(屈曲+ 伸展),骨癒合,carrying angle(CA),fishtail deformity(FTD)の有無を調査し,治療成績をFlynnらの評価法とJOA-JES scoreで評価.結果は,全例疼痛なく,健側と同程度のROMが得られた.全例骨癒合は得られ,最終診察時患側のCAは平均169.1度で外反肘,内反肘を生じた症例はないがFTDが2例みられた.Flynnらの評価法でcosmetic factorは全例excellent,functional factorはexcellent 17例,good 1例,JOA-JES scoreでは全例100点であった.小児上腕骨外側顆骨折に対する鋼線固定術は有効な治療である.

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© 2017 日本肘関節学会
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