日本肘関節学会雑誌
Online ISSN : 2434-2262
Print ISSN : 1349-7324
II.成人骨折・脱臼
尺骨鉤状突起偽関節を伴った後外側回旋不安定症に対し関節鏡支援手術を行った1例
金城 忠克上原 大志堀切 健士金谷 文則
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2018 年 25 巻 2 号 p. 157-160

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抄録

 尺骨鉤状突起偽関節を伴った後外側回旋不安定症(PLRI)に対し,関節鏡支援偽関節手術を施行し良好な成績を得たので報告する.症例は14歳,男児.約8か月前,サッカー中に左尺骨鉤状突起骨折を受傷した.他院で1か月間のギプス固定が行われ,以後症状なく経過していた.3週間前,サッカー中に左肘関節後方脱臼を受傷した.徒手整復後,2週間のシーネ固定が行われたが容易に再脱臼し当科へ紹介された.肘関節外側に腫脹を認め,PLRIテストが陽性であった.画像所見で尺骨鉤状突起偽関節およびLCL断裂を認めた.関節鏡視下に偽関節部の新鮮化と整復を行い,透視下に鋼線固定を行った.LCLは直視下にアンカーで縫合した.術後3週間ギプス固定を行い,術後8か月で抜釘術を行った.術後1年の時点で,疼痛,可動域制限,関節不安定性は認めず,JOA-JESスコアは100点であった.本術式は低侵襲で有用な方法と思われる.

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© 2018 日本肘関節学会
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