2018 年 25 巻 2 号 p. 193-196
肘掌側に発生するガングリオンは稀であるが,橈骨神経麻痺を合併した報告は散見され,治療は直視下摘出術が一般的である.橈骨神経浅枝麻痺を合併したガングリオンに対し,鏡視下手術を施行した症例を報告する.29歳の女性で,1か月前より右肘掌側の腫瘤感と手背のしびれを自覚した.近医にてガングリオン疑いのもと超音波下穿刺が行われゼリー様の穿刺液が吸引された.症状は一旦改善したが再燃し,超音波でガングリオンの再発を認めた.腕橈関節部掌側に腫瘤と鈍痛があり,橈骨神経浅枝領域にしびれを認めた.MRIでは腕橈関節掌側に約1.5cmの嚢胞性病変を認めた.穿刺後の再発のため,鏡視下手術を選択した.鏡視所見では輪状靱帯前方部に膨隆があり,試験穿刺した後に関節包を切開しガングリオンを摘出した.術後疼痛やしびれは改善し,ガングリオンの再発もなかった.鏡視下手術は低侵襲に手術が可能であり,術後再発もなく有効な方法であった.