2018 年 25 巻 2 号 p. 219-221
背景:円背などの不良姿勢では,肩甲骨が偏位し,投球動作での肘下がりなど不良動作を来たす恐れがある.本研究では,中高生野球選手における肘関節痛と姿勢との関係を調査したので報告する.
対象・方法:中学生60例,高校生108例を対象に,スパイナルマウスを用いて,両上肢下垂・最大挙上における胸椎後弯角および腰椎前弯角,その変化量を測定した.理学所見で陽性と判断した選手を所見陽性群とし,対応のないt検定を用いて所見陽性群の特徴を検討した.
結果:中学生では,下垂時での腰椎前弯角が陽性群において有意に高値であった.高校生では,下垂時と挙上時の胸椎後弯角変化量が陽性群において有意に低値を示した.その他においては,有意差を認めなかった.
考察:不良姿勢では肘関節障害をきたす恐れがあることが示唆された.今後症例数を増やし,姿勢改善が障害予防につながるか前向きに検討する必要があると考えた.