2018 年 25 巻 2 号 p. 271-274
橈骨粗面に発生した骨軟骨腫にbicipitoradial bursitisが併発し,これにより遠位上腕二頭筋腱断裂が生じたと考えられる症例を経験したので報告する.
症例:74歳女性.肘過伸展位で転倒し受傷.左肘痛と左肘屈曲力低下,回内外制限を認めた.画像検査より橈骨粗面の骨軟骨腫とその周囲のbicipitoradial bursitist,遠位上腕二頭筋腱の断裂が疑われた.手術は肘前方よりアプローチし,橈骨近位部近傍で膨隆した滑液包と,滑液包に癒着している遠位上腕二頭筋腱断端,滑液包の後面で骨腫瘍を認めた.骨軟骨腫と滑液包を切除し,遠位上腕二頭筋腱は橈骨にJuggerKnotを用いて縫着した.術後疼痛は軽快し回内外制限はほぼ軽快した.
考察:橈骨粗面に生じた骨軟骨腫の刺激が滑液包炎を引き起こし,持続的な刺激により遠位上腕二頭筋腱の変性が進行し,軽微な外力で腱断裂を誘発したものと考えられた.