2018 年 25 巻 2 号 p. 286-288
症例は30歳男性.統合失調症で治療中,墜落外傷で搬送された(ISS 18).第14病日に左上腕骨遠位部開放骨折(Gustilo IIIA,AO分類C3)に対しプレート固定術を施行,第62病日に精神科病院へ帰院した.受傷2年半後に左肘関節不動を訴え来院,精神状態は安定しており,異所性骨化による肘関節強直(Hasting IIIA)に対し関節解離術を行った.しかし一過性の不安定な精神状態のため術後訓練が行えず拘縮を再発した.そのため術後5か月に2回目の拘縮解離術を施行,その後は装具療法を中心に訓練の継続が可能であり,最終可動域は-25°/90°(伸展/屈曲)であった.可動域獲得不足の原因は,受傷時の高度組織損傷や拘縮解離術の遅れ,複数回の手術が推察される.さらに不十分な術後訓練も一因と考えられ,精神疾患合併例では患者協力が得られるか予測困難なことがあり,手術適応の判断に注意を要する.