日本肘関節学会雑誌
Online ISSN : 2434-2262
Print ISSN : 1349-7324
Ⅲ. 外傷・外傷合併症
高齢者の肘頭骨折に対するロッキングプレート固定術の治療成績 -術後骨片転位例の検討-
寺浦 英俊信貴 政人斉藤 公亮
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2020 年 27 巻 2 号 p. 110-115

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抄録
 高齢者肘頭骨折に対してロッキングプレート固定は有用だが術後の近位骨片転位proximal cutout(PC)が生じることがある.治療成績を報告し,3例のPC症例を検討した.対象は65歳以上で6か月以上経過観察した13例,男性5例,女性8例,年齢74.8歳,経過観察期間10か月,Colton group1:1例,group2 stage b:2例,stage c:9例,stage d:1例であった.転位の1例を除いて骨癒合を得た.最終時ROMは伸展-14° ,屈曲134° ,JOA-JESスコア92点,MEPS 98点であった.PCは全例group2 stage c,いずれも術前CTを正確に評価出来ておらず手技的要因でPCが生じた.予防には術前CTの正確な評価,ロッキングスクリューを肘頭先端まで挿入すること,上腕三頭筋のプレートへの縫合などが重要である.
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© 2020 日本肘関節学会
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