抄録
当科にて肘部管症候群に対しNeviaser法による示指外転再建術を施行し10年以上経過した22例23肘に電話連絡を行い,直接診察し得た6例6肘の赤堀の予後評価基準,筋萎縮の有無,Key pinch力,DASH score,調査票を郵送し回答のあった4例5肘のDASH scoreについて検討した.調査時の平均年齢は75歳(67~84歳),術後経過期間は平均17年7ヵ月(10年~26年7ヶ月)であった.赤堀の予後評価基準は優3肘,可3肘であった.筋萎縮は1例を除いて残存していたが,Key pinch力は全例で術前より改善しており,健側比は術前平均46.2%,今回調査時70.6%であった.DASH scoreは平均11.1(0~51.7)であった.Neviaser法による示指外転再建術は長期経過でも良好な成績が維持されていた.