日本肘関節学会雑誌
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Ⅳ. スポーツ障害
上腕骨小頭離断性骨軟骨炎に対する骨軟骨柱移植術後に小頭の著明な圧壊と関節症変化を来した2例
原田 洋平岩堀 裕介梶田 幸宏高橋 亮介安達 伸生
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2021 年 28 巻 2 号 p. 97-101

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抄録

 上腕骨小頭離断性骨軟骨炎(OCD)に対する骨軟骨柱移植術後に,上腕骨小頭の圧壊と著明な変形性関節症を来した2例を経験したので報告する.症例1.12歳男子,野球選手.他院で右上腕骨小頭OCDに対して骨軟骨柱移植術を受け,術後3ヵ月で当院を受診.MRIで移植した骨軟骨柱は生着していたものの関節内水腫を認めた.その後徐々に上腕骨小頭の圧壊と,関節症変化が進行した.症例2.13歳男子,野球選手.当院で右上腕骨小頭OCDと診断し骨軟骨柱移植術を施行するも,術後半年にわたり関節面と骨軟骨柱の連続性が保たれたまま急速に上腕骨小頭の圧壊と腕橈関節の変形が進行した.上腕骨小頭OCDに対する自家骨軟骨柱移植術は良好な成績が報告されているが,様々な術後経過をたどることがあることを留意すべきである.

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