日本肘関節学会雑誌
Online ISSN : 2434-2262
Print ISSN : 1349-7324
Ⅵ. 神経疾患
運動神経伝導検査が正常である肘部管症候群の臨床的特徴
磯崎 雄一古屋 貫治田鹿 佑太朗月橋 一創阿蘇 卓也田村 将希小原 賢司尾崎 尚代西中 直也
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2022 年 29 巻 2 号 p. 252-255

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抄録

(はじめに)肘部管症候群の診断に末梢神経伝導速度は補助的に用いられる.運動神経伝導速度(以下MCV)が正常な肘部管効症候群に対し手術を行い,検討したため報告する.(対象と方法)当院で手術したMCVが正常な肘部管症候群で二次性変形性肘関節症が原因と疑われる症例を除外した7例9肘を検討した.手術は全例King変法を用いた.手術時年齢,発症から手術までの期間,術前病期として刺激伝導速度を除外した赤堀分類,術後成績として赤堀の予後評価基準を検討した.(結果)手術時年齢は32.9歳(16-68歳),発症から手術までの期間は34.4か月(4-75か月)であった.術前病期は第I期が1例,第II期が2例,第III期が4例,第IV期が2例であった.術後成績は優が6例,良が1例,可が2例であった.(考察)MCVが正常な肘部管症候群は若年者に多く,診断と手術の判断に難渋するが,手術による改善が良好である.

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© 2022 日本肘関節学会
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