抄録
症例は56歳男性,3歳時に右上腕骨外側顆骨折の診断で保存加療を受け,14歳時に右外反肘変形に対して骨切り術,30歳時に右尺骨神経麻痺に対して尺骨神経剥離術などが施行された.55歳時より右肘関節痛と肘関節屈曲制限に伴い,日常生活動作(ADL)への支障を来たすようになり当院紹介受診となった.単純X線・CT画像では右上腕骨外側顆偽関節および高度な関節症性変化を認め,人工肘関節置換術(TEA)を施行した.術後10か月時,右肘関節屈曲可動域は術前90° から140° へと改善し,疼痛は消失しADLの改善を認めた.上腕骨外側顆骨折後偽関節症例に対してTEAを施行した報告は海外を含めて4例のみである.今回,上腕骨外側顆骨折後偽関節に続発した高度関節症症例に対してTEAを施行し,除痛効果と可動域の改善により良好な短期成績を得た.TEAは本症例のような高度関節症に対しても有効な治療選択肢となり得る.