抄録
目的:少年野球選手と指導者の投球フォームに対する視覚的な認識調査をおこなうこと.
方法:指導者13名,選手116名(9-12歳)を対象に投球フォームに関するアンケートと動画による投球フォームの視覚的な認識を調査した.
結果:指導者の投球指導実施は54%,講習会受講率は23%であった.選手の自主的な投球フォーム学習は72%,理想の投球フォームがある選手は40%,肘痛経験者は31%であった.不良な投球フォーム3種の点数は選手,指導者とも同様に低値であったが,明らかな不良動作がない投球フォーム2種の点数は選手が有意に低値であった.肘痛経験者は肘下がりの点数が有意に低値であった.
考察:少年選手の多くが良い投球フォームのイメージを持つことができていない可能性が示された.投球動作に対する指導体制はまだ十分でなく,良い投球フォームのイメージを認知する段階から指導していくことも重要と考えられた.