日本肘関節学会雑誌
Online ISSN : 2434-2262
Print ISSN : 1349-7324
Ⅹ. 治療法
非典型的な受傷起点による年長児肘内障の2例
小船 圭一安田 彩夏今井 優子栗山 幸治
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キーワード: 肘内障, 年長児, Jサイン
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2024 年 31 巻 2 号 p. 303-305

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抄録
【背景】肘内障は,年少児に好発し,腕をひっぱるなど典型的な受傷機転では,診断が比較的容易であるが,年齢や受傷機転が非典型的な場合は,診断が難しい.
【症例】
症例1:8歳男児,ベンチを跳び箱のように跳ぼうとして左肘を捻り,受傷した.近医整形外科受診し,左前腕捻挫の診断となったが,再診時も疼痛持続するため,当院紹介受診となった.エコーにてJ sign認め,肘内障の診断となった.
症例2:9歳男児,柔術の試合で相手選手と組み合った際に,左前腕ひねった状態で,相手選手が乗っかった際に受傷した.近医整形外科受診したが,原因がはっきりせず,当院紹介受診となった.エコーにてJ sign認め,肘内障の診断となった.
【考察】肘内障では,回外筋が輪状靱帯とともに腕橈関節内に引き込まれるJ signを認める.
【結論】年齢や受傷機転が典型的でない肘内障の診断に関して,エコーの有用性を報告した.
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© 2024 日本肘関節学会
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