抄録
肘関節後方脱臼整復後,徒手ストレステストで内外側側副靭帯(MCL・LCL)完全断裂と診断し靭帯縫合術を施行した症例について報告する.術後2か月以上経過観察した40例(男22女18例)の年齢,受傷機転,術中所見,術後成績,二次手術の有無を調査した.年齢は12~83歳で,30歳未満17例中16例はスポーツで,30歳以上23例中13例は転倒・転落で受傷した.LCL36例は全例,MCL37例中35例は上腕骨側からのavulsionで,靭帯は末梢へ退縮していた.最終診察時不安定性遺残はなく,9例で疼痛が軽度あり,平均可動域は屈曲137° 伸展-19° ,1例で関節受動術を施行した.靭帯が完全断裂している場合,損傷形態は上腕骨側からのavulsionが多く,術中付着部を直視で確認し,修復することが重要である.肘関節後方脱臼におけるMCL・LCL完全断裂に対する靭帯縫合術は良好な短期成績を得られた.