抄録
当科で手術加療を行った65歳以上の上腕骨顆部のcoronal shear骨折(本骨折)の20例は,Dubberley分類(D分類)1AB型が8例,2AB型が2例,3A型が3例,3B型が7例であった.今回は,D分類3B型に対して人工肘関節置換術(TEA)を行った4例(T3B群)と骨接合術(ORIF群)を行った3例(O3B群)を比較した.T3B群とO3B群で,平均年齢,術後から手術までの期間,術後経過観察期間に有意な差はなかった.臨床成績は,D分類3B型に対してT3B群はO3B群に比べて,MEPSが有意に不良(95.0対71.7,p=0.025)で,合併症も多かった.また,本骨折に対するORIFの臨床成績は,D分類3B型が3B型以外に比べ,MEPSが有意に不良であった(95.0対71.7,p=0.0003).65歳以上の3B型の本骨折には,手技には細心の注意が必要であるが,TEAも考慮する.