2025 年 32 巻 2 号 p. 283-287
転移性骨腫瘍による上腕骨病的骨折は長管骨の中で頻度が高いが予後不良とされている.一方,近年の化学療法の進歩により生存率は延長している.本研究では,当院で治療を受けた6例について手術成績を報告し,過去の文献をレビューした.治療方法として髄内釘単独固定,髄内釘もしくはプレート固定に骨セメント充填を併用する方法が選択されており,術後合併症として遠位部スクリューのゆるみを認めた.術後平均生存期間は16.7か月であった.MSTSスコアは平均70%であった.文献レビューでは,原発巣の癌腫は乳癌,多発性骨髄腫,肺癌,腎癌,前立腺癌,甲状腺癌が多く,平均生存期間は10.4か月であった.術後生存率は6か月で53.3%,1年で38.3%であり,最も多く採用された術式は髄内釘固定であった.髄内釘骨セメント併用法は長期的な固定力維持に有用であり,非荷重肢の病的骨折治療の選択肢の一つとして期待できる.