環境心理学研究
Online ISSN : 2189-1427
ISSN-L : 2189-1427
展望
太陽光パネルが存在する景観認知と幸福感に関する研究
ーGiffordの包括的解釈を用いた量的検証ー
和泉 茂一岡田 昌毅
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ジャーナル オープンアクセス

2025 年 13 巻 1 号 p. 11-25

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抄録
本研究では、環境心理学におけるGiffordの包括的解釈(以下、Giffordモデル)を量的に検証することによって、太陽光パネルのある景観と幸福感の関係を明らかにすることを目的とした。Giffordモデルにおいて、独立変数とされる「現実の測定」には「太陽光発電の現状イメージ」を設定し、従属変数とされる「セッティング(特定場面の設定など)による結果」には「太陽光パネルの景観イメージ」、「地域参画(対話の場)」、「協調的幸福感(Well-being)」を設定することから、これら関係を説明する要因図を作成した。新規尺度として作成した「太陽光発電の現状イメージ」からは「太陽光発電がもたらす価値」因子と、「太陽光発電によって生じる問題」因子の2つが抽出された。SD法における17項目の形容詞対を用いた「太陽光パネルの景観のイメージ」からは、「太陽光パネルの感覚的評価」因子が抽出された。これら因子分析の結果を用いて導かれた3水準要因図では、パス解析から許容できる範囲内の適合度指数(X2=3118.898, df=1357, p<.001, RMSEA=.042, CFI=.915)が得られた。本研究の総括として、環境心理学における包括的な概念モデルの妥当性が説明できたと考える。日本における太陽光発電と言った1事例のみの限られた結果ではあるが、科学技術への取り組みが幸福感につながる可能性が示唆されたと考える。
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