環境心理学研究
Online ISSN : 2189-1427
ISSN-L : 2189-1427
最新号
選択された号の論文の37件中1~37を表示しています
原著
  • ――注意回復理論に着目して――
    永水 秀明, 飯田 順子
    2026 年14 巻1 号 p. 1-9
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/05/17
    ジャーナル フリー

    本研究では,Kaplan & Kaplan(1989)が提唱した注意回復理論の枠組みを焚き火にも適用し,その安静効果や回復特性を映像視聴実験により検証した。被験者は焚き火映像を視聴する実験群(焚き火群),森林映像を視聴する比較実験群(森林群),会議室映像を視聴する対照群(会議室群)の3群に無作為に割り付け,オンライン環境下で実験を実施した。一般感情尺度および日本語版回復感指標(ROS-J)を用いた時期と群の2要因分散分析の結果,焚き火群と森林群は,会議室群と比較して有意に高い安静効果を示した。さらに,回復特性を評価するため日本語版Perceived Restorativeness Scale(PRS)を用いた一要因分散分析では,PRSの下位尺度である逃避,魅了,視野,適合,好みにおいて,会議室群と比較して焚き火群および森林群ともに有意に高い数値を示した。この結果から,焚き火映像は森林映像と同等の回復特性を有することが明らかとなった。また,特筆すべき点として,適合と好みの尺度においては,森林映像と比較しても焚き火映像が有意に高い数値を示しており,焚き火映像がより適合的で被験者の好みに合致する特性を持つことが示された。

  • ― 東京・名古屋・多良間島の小中学生の比較 ―
    小島康生 , 石島このみ , 外山紀子
    2026 年14 巻1 号 p. 10-22
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/05/17
    ジャーナル フリー

    多様な他者との関わりあいが,共同体感覚の発達をもたらし,それがさらにレジリエンスの向上に影響するという仮説モデルの検証を行った。小学3年生から中学3年生までの児童・生徒632名(東京:n=225,名古屋:n=350、沖縄県多良間島:n=57)を対象に,対人関係の多様性(他者との関わり経験,近所との交流など),アドラーの個人心理学に基づく共同体感覚(自己受容など),レジリエンス(援助要請力,楽観性など)に関する自記式質問紙調査を行った。分析の結果,他者との関わり経験と近所との交流は東京が最も少なく,多良間が最も多いことがわかった。また,東京と名古屋では,学年の上昇と共に近所との交流が激減した。楽観性は,東京が低く,多良間が高いことが明らかになった。多母集団同時分析の結果,冒頭に示した仮説は東京と名古屋ではほぼ立証されたが,多良間では限定的であることがわかった。子どもの心理発達について考えるうえでは地域環境の特性を考慮する必要があることが確認された。

日本環境心理学会大会 ワークショップ報告
日本環境心理学会大会 発表要旨
feedback
Top