環境心理学研究
Online ISSN : 2189-1427
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大会ワークショップ報告
  • 「場所と犯罪」リスク評価の可能性を探る
    大山 智也, 芝田 征司, 足立 浩基, 羽生 和紀
    2023 年 11 巻 1 号 p. 1-12
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/04/30
    ジャーナル オープンアクセス
    近年の地理情報データの整備,景観画像の蓄積と解析手法の発達,系統的社会観察や(オンラインを含む)社会調査手法の洗練化などにより,都市における諸スケールでの「場所」と,個人・コミュニティの犯罪被害や犯罪不安との関連をみる研究は,犯罪学・都市社会学・心理学分野外の領域からも注目を集め,かつてない盛り上がりを見せている. 一方で,長年にわたりコミュニティと犯罪をめぐって研究を重ねてきたRalph Taylorは,最近の著書(Taylor, 2015)において,街路や施設といったミクロスケールの場所と犯罪の関係を追究する際の限界や,こうした研究を公衆衛生的発想で犯罪を予防する(特に一次予防,二次予防と呼ばれる)試みに適用する難しさを強調している.Taylorの問題提起は,多様なデータが入手・分析可能になった今だからこそのものであり,環境―人―行動のダイナミズムを探求する我々に重くのしかかる課題である. このワークショップは,本学会で度々とりあげられてきた環境×犯罪をテーマにしつつ,ベテラン研究者と若手研究者のそれぞれから,先進的な研究事例を紹介することで,場所と犯罪をめぐる研究の意義をあらためて主張する.そのうえで,上記Taylorの著書の監訳者であり,日米の環境犯罪学研究に通じた指定討論者を交え,上記の問題意識も踏まえて議論することで,場所と犯罪の関連をめぐる研究を今後どうしてゆくべきか,いま不足している視点も含め,考える機会とした.
口頭発表
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