環境心理学研究
Online ISSN : 2189-1427
ISSN-L : 2189-1427
原著
焚き火映像が持つ回復特性と安静効果の検討
――注意回復理論に着目して――
永水 秀明飯田 順子
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2026 年 14 巻 1 号 p. 1-9

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抄録

本研究では,Kaplan & Kaplan(1989)が提唱した注意回復理論の枠組みを焚き火にも適用し,その安静効果や回復特性を映像視聴実験により検証した。被験者は焚き火映像を視聴する実験群(焚き火群),森林映像を視聴する比較実験群(森林群),会議室映像を視聴する対照群(会議室群)の3群に無作為に割り付け,オンライン環境下で実験を実施した。一般感情尺度および日本語版回復感指標(ROS-J)を用いた時期と群の2要因分散分析の結果,焚き火群と森林群は,会議室群と比較して有意に高い安静効果を示した。さらに,回復特性を評価するため日本語版Perceived Restorativeness Scale(PRS)を用いた一要因分散分析では,PRSの下位尺度である逃避,魅了,視野,適合,好みにおいて,会議室群と比較して焚き火群および森林群ともに有意に高い数値を示した。この結果から,焚き火映像は森林映像と同等の回復特性を有することが明らかとなった。また,特筆すべき点として,適合と好みの尺度においては,森林映像と比較しても焚き火映像が有意に高い数値を示しており,焚き火映像がより適合的で被験者の好みに合致する特性を持つことが示された。

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