2025 年 17 巻 1 号 p. 127-140
本稿では,体肢間協応を対象とした研究について,具体的な方法論を含めて解説した.人間の身体は,多数の骨と筋肉,関節から構成された複雑なシステムである.体肢間協応研究では,この複雑な構成要素を持つ身体システムが,どのように互いに連動し,運動を生み出すか,その規則性に注目した研究が数多く蓄積されている.本稿では,まずBernsteinによって提唱された協応の概念と動作構築理論について整理した.次に,体肢間協応研究において重要な役割を果たしてきた力学系アプローチについて概説した.また,体肢間協応研究における代表的な実験課題,計測方法,分析方法について解説した.最後に,方法論の実践例として著者らの研究を紹介し,体肢間協応研究の今後の展望について議論した.