2025 年 17 巻 1 号 p. 109-126
ダイナミック・タッチは生態心理学における主要な研究領域の一つである.本論文では,ダイナミック・タッチ研究の理論的基礎として,(1)ダイナミック・タッチで利用される力学的情報,(2)身体はマルチフラクタル・テンセグリティを有する媒質であり,かつ,全身が連続的な触知覚システムを構成するという仮説,を概説し,それらの理論的基礎にもとづく実験研究を紹介する.加えて,ダイナミック・タッチの研究方法を解説する.最後にダイナミック・タッチ研究の現状と課題,そしてその研究の実施方法の展望を述べて締めくくる.