生態心理学研究
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特集2
アフォーダンス知覚研究のススメ:先ずπより始めよ
友野 貴之
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2025 年 17 巻 1 号 p. 97-108

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抄録

本稿では, アフォーダンス知覚とは何か, アフォーダンス知覚の研究をするためには何をどうしたらよいか, についてこれまでのアフォーダンス知覚に関する研究や著者らの研究を紹介しながら解説するとともにこれからのアフォーダンス知覚研究の展望について述べる.アフォーダンス知覚とは行為の可能性ないしは機会であるアフォーダンスを知覚することである. 言い換えれば, アフォーダンス知覚とは環境の特性と行為者の特性の関係性ないしは適合性を知覚することとも言える. 例えば, ガードレールに腰掛ける若者や花壇の縁に座る子どもは, ガードレールや花壇の縁の特性(この場合は高さや素材など)と彼(彼女)らの特性(この場合は足の長さや柔軟性など)の関係性ないしは適合性を知覚することで“座る”という行為を達成している. そのような意味では, アフォーダンス知覚の例, 研究の萌芽は, 私たちが暮らす生活環境を見渡せばそこかしこに広がっている. アフォーダンス知覚の機序を紐解くことで, 私たち人間を含む動物の知覚と行為の関係性について明らかにすることができるだろう.

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© 日本生態心理学会
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