2008 年 3 巻 1 号 p. 35-44
本研究では,他者から手渡された物休(円筒)を受け取る動作を調べた.実験には20人が参加した.円筒の長さ,手渡し側が円筒を持つ位置,手渡し側の動作の軌道(直線か曲線) を操作した.観察された受け取り動作を「握る」「摘む」のせる─そえる」の3つに分類した.受け取り動作の選択を規定する特性に焦点をあてたところ、「物体の大きさ」「接触領域の面積(手渡し側によって遮蔽されていない領域)」「接触領域の形状」「手渡し動作の軌道」の要因によってうまく記述できることを見出した.これらの結果は,受け取り動作が物体の特徴だけでなく手渡し側の動作も含めた要因によって規定されることを示している.