2013 年 6 巻 1 号 p. 51-52
本研究では,生態心理学的概念に基づいた運動療法が跨ぎ動作にどのような影響を及ぼすのかを検討した.対 象は,日頃から特別な運動をしていない健常人とし,背臥位で胸郭と骨盤に重錘をのせて運動を行う群、Puppy Position で左右に揺れる運動を行う群と腹臥位で安静を保つ群の 3 群に分類して,それぞれを 2 分間施行した. 運動介入の前後に,40cm の高さのバーを跨ぐ動作を行い,その動作の前後を含めて、第四胸椎と骨盤との加速 度を3 軸加速度センサを用いて測定した.その結果,第四胸椎と骨盤の加速度は,運動の介入によって増加する 傾向を示した.このことから,生態心理学的概念に基づいた運動療法によって,身体に何らかの変化が生じるこ とが推測されるが,更なる検討が必要である.