理療教育研究
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盲学校理療科教員の授業における 苦慮事項の実態に関する研究(第2 報)
─内容別苦慮事項の下位項目の分析を通して─
工藤 滋渡辺 雅彦栗原 勝美松下 淳二溝渕 基嘉寺﨑 直水出 靖
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2016 年 38 巻 p. 27-35

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抄録
【目的】第1 報では全国の盲学校等の理療科教員を対象とした授業における苦慮事項に 関する調査を通じて、回答者の状況と苦慮事項の概要を明らかにした。今回の第2 報 では、理療科教員が直面する課題への対応策を論及するため、第1 報の内容別分類に 下位項目を設け、より具体的な苦慮事項の抽出を行った。 【方法】全国の盲学校等の理療科・保健理療科の専門基礎分野または専門分野の科目担 当者全員を対象に、平成21 年8 月~ 9 月に郵送による自記質式質問紙法を実施した。 主な設問項目は、自由記述による科目ごとの苦慮事項であった。 【結果】得られた1,022 件の苦慮事項の内容別分析を次にまとめる。1.「指導技術」 は全体の290 件(約28%)を占め、その中で基礎実習と臨床実習の苦慮事項は合わ せて180 件(約62%)であった。さらに、「指導技術」の下位項目別では、指導方 法が分からないという抽象的なものが119 件(約41%)、基礎実技に関する具体的 なものが90 件(約31%)であった。2.「教材」は全体の248 件(約24%)を占 め、下位項目別では立体教材と立体・平面とを問わない教材に関するものが合わせて 146 件(約59%)、科目別では人体の構造と機能が101 件(約41%)であった。3. 「授業準備」は全体の270 件(約26%)で、下位項目別では内容の精選が91 件(約 34%)、情報収集が70 件(約26%)と上位を占め、科目別では、生活と疾病、疾病 の成り立ちと予防を合わせて111 件(約41%)であった。4.「その他」は全体の 160 件(約16%)を占め、最も多かった項目は生徒の実態に関するもので121 件(約 76%)であった。
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© 2016 日本理療科教員連盟
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