抄録
要旨
【目的】視覚障害者のアクセシビリティを考慮して開発した臨床実習用電子カルテシステムの導入時における課題を分析すること。
【方法】視覚障害を有する学生・研修生9名(全盲4名、弱視5名)、晴眼の教員1名、受付職員1名に電子カルテの使用を依頼し、アンケート調査、インタビュー調査、システム開発者による障害記録を通じて課題を抽出し、分類した。
【結果】計48件の課題が抽出され、「電子カルテに起因する課題」(31件)、「ユーザに起因する課題」(13件)、「電子カルテとユーザの双方に起因する課題」(4件)に大別された。主要な課題は、ソフトウェア障害(15件)およびユーザの知識・習熟の不足(11件)、ユーザインターフェイス設計(6件)であった。
【考察】電子カルテに起因する課題が最多であり、特にデータベースソフトウェアに関連する問題が多かった。これは電子カルテシステムの開発・導入におけるデータベースシステムの選択の重要性を示唆している。また、ユーザに起因する課題の多さは、継続的な教育の必要性を示すと考える。視覚障害者向け電子カルテシステムには、これらの課題に対応したシステム設計と運用が求められる。